こんにちは、たらこまるです。
本記事は
キッチン実用ノウハウ集の第4章 中級編です。
ノウハウ集では超基礎事項編 ⇒ 初級編 ⇒ 中級編(本記事) ⇒ 上級編とステップアップしていきます。
各ステージでマスターしたいポイントを押さえたうえで次のステージにいかないと効果は望めませんので、初級編が未の方は本記事(中級編)を読む前に、まずは初級編を押さえましょう。
■ノウハウ集の全体構成
章 | ノウハウ集 | 記事の概要 |
---|---|---|
1 | 概要編 | まずはココから読み始めよう!ノウハウ集とは?前提など |
2 | 超基礎事項編 | オーダーあげる以前の超基礎事項!コレが出来ないとこの先は無い |
3 | 初級編 | 新人としてまずはここを押さえよう!4つのポイント |
4 | 中級編 (本記事) | ここまで出来れば1人前!5つのポイント |
5 | 上級編 | キッチンを引っ張る上級者として実現したい姿、4つのポイント |
6 | センター編 | キッチンを取りまとめる責任者として必要なこと(作成中) |
中級編でマスターしたいポイント
早速ですが中級編でマスターしたいポイントは以下です。
①ニューオーダー読上げ時の立ち位置
②ニューオーダー読上げ中に食材を落とし始めること
③ニューオーダー確認時はほぼ食材が落ちている状態にあること
④作業中にニューオーダーが読まれたらニューオーダー優先で落とすこと
⑤補充が完璧の状態でピークを迎え、オーダーあげながらも補充状況を確認すること
中級編は、より早くオーダーあげることを意識します。
その為に食材の補充も重要な観点となります。
オーダーあげるシミュレーションを通じて上記ポイントを解説していきます。
シミュレーションの前提
【シミュレーションの前提】
キッチンメンバー:センター、グリル、フライヤーの3人体制
あなたのポジション:グリル。バイト始めて半年位、一通りのオーダーをあげられる
キッチンレイアウト:下図参照
⇒あなたはグリルなので赤色部分が主な作業範囲です。
シチュエーション:土日ピーク時間帯
①ニューオーダー読上げ時の立ち位置
初級では確実に指示を聞き、指示通りに動くのが前提でしたが、
中級からは一回のリーディングで(センターによるニューオーダー読上げのこと)
どれだけ多くの料理をおとせるか、が重要なポイントです。
今回のシミュレーションの前提シチュエーションは土日ピークです。
まさに今、集団客がゾロゾロ入ってきて大量の注文がこようとしています。
ピーク時間帯突入の第一発目のリーディングをセンターが始めるとき、
グリルスタッフ(あなた)はどこに立っているべきでしょうか。
下図の
立ち位置①:まな板に手をついてリーディングを待っている
立ち位置②:冷蔵庫前でスタンバイ
どちらでしょうか
答えは立ち位置②です。
はい、ここで中級編1つめのポイントです。
リーディング開始時には、
すぐ作り置きを出せるようストック冷蔵庫等の前でスタンバイすること。
グリルスタッフの場合、
ストック冷蔵庫を開け、センターに半分背をむける感じで、
いつオーダーが入ってきてもいいように構えます。
グリル側が落とす食材のほとんどはストック冷蔵庫にあるからです。
フライヤースタッフの場合、
フライヤー下のストック冷凍庫から、冷凍食材・冷凍ソース類をすぐに落とせるように
フライヤー前にスタンバイします
フライヤー側が落とす食材のほとんどはストック冷凍庫にあるからです。
上のキッチンレイアウトの図でも、
フライヤースタッフはしっかりフライヤー前(ストック冷凍庫前)でスタンバイしていることが分かります。(そうなるように慣れない絵を描きました^^;)
立ち位置①のように、まな板の前で手をついて(あー早くこないかなー…)と待っているのはその時点でアウトです!
ましてやオーダーが入ってきた時、センターと一緒になってチェックを見ているのは問題外です。
※センター以外がチェックを見てはいけない理由を忘れてしまった方は、超基礎事項編を参照
ピピッ…いよいよ以下のニューオーダーが入ってきました。
※説明用のため、ピークにしては少ないオーダーで解説していきますね
②ニューオーダー読上げ中に食材を落とし始めること
早速センターが大きな声でリーディングを始めます。
ニューオーダー入りました。コブサラダ1つ、ツナサラダ1つ・・・
ここで中級編2つめのポイントです。
センターによるニューオーダー読上げ中に食材を落とし始めること
すかさずあなたは、ストック冷蔵庫からコブサラダとツナサラダの作り置きをセンター近くのまな板に置きます
【ピーク対応ポイント】
ピーク時はニューオーダーがリーディングされたら、
とにかくまな板のうえに該当の作り置きを置いていくことが超重要!
サラダの作り置きをセンター近くに置く理由は、
サラダはセンターが完成させる場合が多いのと、仮にセンターが完成させなくても、まな板の上にサラダの作り置きがおいてあれば、「今サラダのオーダーが入っている」ということが1目で分かり忘れ防止にもなるからです。
一通り作り置きをまな板等の上に出し、食材が落ち終わったら、
時間がかかるものから動かし始めるのが基本の流れです。
【用語解説】
動かす:
調理を開始すること。「落とす」は食材単体を加熱し始めること、に対して「動かす」は料理そのものを開始するイメージ
例「エビグラタン動かして」⇒「はい、エビグラタンを電子レンジでまわし始めます」
そして動きながらも落ち着いてリーディングをしっかり聞き、
ストック冷蔵庫の中の作り置きをまな板の上等に出し続けます。
センターによるリーディングは続いています。
・・・ツナピザ1つ、エビグラタン1つ、カニドリア1つ。
ストック冷蔵庫から出したエビグラ作り置きをまな板に置く。
ツナピザのパンをまな板に置く。
※カニドリアはフライヤースタッフがボウルに冷凍食材を入れる初動のため、グリルスタッフはボウルがフライヤーからくるのを待ちます
一通り作り置きを出し食材を落とし終わったら時間がかかるものから動かし始めます。
ここでは、エビグラタンを動かします。
あなた:(エビグラタンのラップをとって、フォンデュソースかけて、皿の周り拭いて、、よし電子レンジに投入完了!)
③ニューオーダー確認時はほぼ食材が落ちている状態にあること
そうこうしているうちにセンターがニューオーダー確認をしてきます。
【用語解説】
ニューオーダー確認:
ニューオーダー読上げ後に、センターから各ポジションへ今入ったニューオーダーの落とすべき食材、動かすべき料理を確認、指示すること
例「今のニューオーダー、グリルが落とすのは**と**と**です」
ここで中級編3つめのポイントです。
ニューオーダー確認時は食材がほぼ落ちている状態にあること
ニューオーダー確認の前には食材が全て落ち・動いているのが理想です。
ただ、最初から全て落としきり、そのうえで動かし始めるのはハードル高いので少なくとも何かが落ちている状態をまずは目指しましょう。
ニューオーダー確認時から落とし始めてはその時点ですでに一歩出遅れてしまいます。
センターが落とすものの確認を始めました
グリルはツナサラ、コブサラの作り置き出して、ツナピザのパン出して、エビグラ動いてる?
センターの確認通り落ちて動いているか確認のうえあなたは返事します。
はい!全部落ちて動いてます
と返事しながらも手はツナピザを作り始めます。
ツナピザを作っている途中、センターからカニドリアの冷凍食材が入ったボウルが送られてきました。
(フライヤーがカニドリアに必要な冷凍食材をボウルにいれセンターへ渡し、センター経由でグリルのあなたにボウルが届いた)
ここにカニドリアのボウル置いとくね、回しといて!
はい! (ツナピザを中断して、、カニドリアのボウルにホワイトソースとフォンデュいれて、、よし電子レンジに投入完了!)
なぜツナピザを中断してまでカニドリアを優先して動かすのか。
オーブンで加熱する時間はピザ・エビグラタン・カニドリア全て同じ3分半。
エビグラタンは既に電子レンジをまわり始めていて
ツナピザのオーブン投入前の調理はエビグラタンが電子レンジまわっている間に完成させることができる。
となると、同じオーブン調理時間のツナピザ、エビグラタン、カニドリアのうち
まだ電子レンジ投入すら完了していないカニドリアが最も遅れているから、
ツナピザより優先させよう。
ということになってきます。
勿論センターはこのことを全て知っているので、
指示を受けなぜカニドリアを優先するべきなのかその時分からなくても忠実に従いましょう。
また、間違っても先出しだからといってサラダに手をつけてはなりません。
サラダは初級編のシミュレーションであったように、
また本記事冒頭でも紹介した通り、基本的にセンターが完成させます。
仮にセンターが忙しくてサラダを作れなくても
ツナピザ、エビグラタン、カニドリアの全てをオーブンに投入した後、
オーブン完了までの3分半の間にグリルスタッフ(あなた)がすぐサラダを仕上げることができるからです。
カニドリアを電子レンジまわした後に、
電子レンジから出たエビグラタンの仕上げが完了しあとはオーブンにいれるだけ。
ツナピザも完成し、あとはオーブンにいれるだけ。
そしてカニドリアも電子レンジが完了し、さぁ仕上げるぞ!
というところで次のニューオーダーが入ってきました。ピピッ・・
④作業中にニューオーダーが読まれたらニューオーダー優先で落とすこと
※分かりやすいように先ほどと全く同じオーダーがきた設定とします
センターが新しくきたニューオーダーのリーディングを始めます。
またニューオーダー入りました。コブサラダ1つ、ツナサラダ1つ・・・
さぁこんな時はどうすべきでしょうか。
初級編のシミュレーションでも似たシチュエーションがありましたが、
作業中いい感じのところでニューオーダーが入りリーディングが始まってしまった。
答えは、予想がつく方もいると思いますが
オーブンへ入れるべく仕上げていたカニドリア放置で
ツナサラダ、コブサラダの作りおきをセンター近くに置き、
ストック冷蔵庫から出したエビグラ作り置きをまな板に置く。
ツナピザのパンをまな板に置く。
・・・という感じで、
とにかくニューオーダーのリーディングがあった場合はそれを優先しておとします。
ピーク中はニューオーダーがどんどん入るので、
その都度落とし始めないとテトリスのようにどんどんニューオーダーが溜まっていきすぐに崩壊してしまいます。
調理提供タイミングはセンターがコントロールします。
(始めに入ったオーダーの提供が遅くなりすぎる場合は、ニューオーダー落とすのを一時やめて遅れている調理を優先させる等)
ニューオーダーのリーディングが始まるということは、
全体の調理提供バランスを考えたうえでセンターが「ニューオーダーを今落とすべき」と判断したうえでリーディングをしているので、
とにかくニューオーダーのリーディングがあった場合はそれを優先しておとします
新しくきたニューオーダーを全て落とし終わったら
ニューオーダー入る直前まで作業していたカニドリアをすぐに仕上げて
ツナピザ・エビグラタン・カニドリアの三つを同時にオーブンへ入れます
(→同時提供をする為)
オーブンへ入れ終わったら2つめにきたニューオーダーに取り組みます。
そしてすべての調理提供が完了しました!
初級編で紹介した通り、
ひと段落ついたからといって気を抜かずに
調理に使ったボウル、プレート等をシンクへいれ片付ける。
次のオーダーに備えてからが本当のひと段落でしたね。
⑤補充が完璧の状態でピークを迎え、オーダーあげながらも補充状況を確認すること
中級では片づけて終わり、ではなく
そこから更に食材の補充にも目を通すようにします。
中級以降はスピードを意識し、がんがんオーダーをあげる必要があります。
その為にも最低限自分のテリトリー内の食材補充は必須事項です。
ピーク前の準備
食材・作り置きが完全に補充・用意されている状態でピークを迎えられるようにしましょう。
作り置きは冒頭紹介した通り、
ニューオーダー時にとにかくまな板に置くことで忘れ防止にも役立ちます。
当然スピーディに料理提供する為にも必須ですよね。
食材についても、ピーク中に食材が底をつきると料理提供が一気に遅くなる為、
ピーク前に充分補充しておきましょう。
ひと段落ついた時の対応
オーダーがひと段落ついたら少なくなった食材を補充します。
補充が先でも片付けが先でもどちらでも良いです。
ストック冷蔵庫へ食材をとりに行くついでに
調理に使ったボウル、プレート類をシンクへいれ、
帰りに食材をもってかえるなどして効率よく片付け・補充を行います。
まとめ
中級編はここまでです。
以下にあらためてポイントを記載しますので
まずはこの5つに注意して仕事をしてみて下さい。
①ニューオーダー読上げ時の立ち位置
⇒すぐ作り置きを出せるようストック冷蔵庫等の前でスタンバイ
②ニューオーダー読上げ中に食材を落とし始めること
⇒とにかくまな板のうえに該当の作り置きを置いていく
③ニューオーダー確認時はほぼ食材が落ちている状態にあること
⇒少なくとも何かが落ちている状態をまずは目指す
④作業中にニューオーダーが読まれたらニューオーダー優先で落とすこと
⇒その都度落とさないと、どんどん溜まっていきすぐ崩壊する
⑤補充が完璧の状態でピークを迎え、オーダーあげながらも補充状況を確認すること
⇒がんがんオーダーあげる為にも、最低限自分のテリトリー内の食材補充は必須
ここまで来ると、ある程度スピードも無いと実践するのは難しくなってきます。
スピードをつけるには、
これまで超基礎事項編~中級編まで紹介したポイントを意識しながらひたすら実践して慣れるしかありません。
これまでのポイントが実践でき、スピーディにオーダーをあげられるようになったら中級はクリアです。
いよいよ次のステップである上級編へと進みましょう。