【3章:初級編】キッチン実用ノウハウ集。店舗マニュアル非掲載の生きた情報をキッチンスタッフへ!

【キッチン】ノウハウ集

こんにちは、たらこまるです。

本記事は
キッチン実用ノウハウ集初級です。

ノウハウ集では超基礎事項編初級編(本記事)中級編上級編とステップアップしていきます。
各ステージでマスターしたいポイントを押さえたうえで次のステージにいきましょう。

まずは初級でマスターしたいポイントは以下です。

落ち着いて作業すること

作業中でもセンターからくる指示はすぐ動けるように意識すること

ポジションをまたいでの移動は極力しないこと

料理提供後は一息つく前に片づける

なお、この初級編で紹介する内容は、
ノウハウ集の超基礎事項編を実践できている方が次に実践する事項です。

超基礎事項編はオーダーあげる以前の超基礎事項であり、
出来ていないまま本記事を読み実践してもあまり効果は出ません

まだ見ていない方は先にこちらをご確認下さい。

■ノウハウ集の全体構成

それでは早速見ていきましょう!

初級編でマスターしたいポイント

ここからはオーダーあげるシミュレーションをしながら冒頭に紹介したポイントを解説していきます。

シミュレーションの前提

【シミュレーションの前提】
キッチンメンバー:センター、グリル、フライヤーの3人体制

あなたのポジション:グリル、入って1か月の初心者

キッチンレイアウト:下図参照
⇒あなたはグリルなので赤色部分が主な作業範囲です。

①落ち着いて作業すること

1つめのポイントです。
落ち着いて確実に作業をします。

初級の方に対してセンターはスピードを求めません
確実さを求めます

それではシミュレーションを始めてみましょう

以下のオーダーが入ってきました。

センターがニューオーダー読上げしている最中に食材を落としても構いませんが、
読み終わったセンターからの指示を聞きもらさないよう最大限注意をします。

落とすのに夢中になってセンターからの指示を聞き逃すのが典型的な悪いパターンです。

慣れないうちはしっかり指示を聞いてから落とし始めましょう。

【用語解説】
ニューオーダー読上げ
注文されたメニューをセンターが読み上げること
例「ニューオーダー入りました。オムライス1つ、ミニサラダ2つ、グラタン1つ…」

落とす
料理を作り始める第1歩として食材をフライヤーに投入する、ハンバーグをグリルで焼き始める という食材を調理し始めたという意味で使う
例「今入ったニューオーダーのフライドポテト落ちました」「ハンバーグ落としとくよー」


まわす
電子レンジで加熱しはじめること
例「ラザニアまわして!」⇒「ラザニアを電子レンジで加熱し始めて」

 ニューオーダー読上げ後、センターから早速指示が来ました。

「まずラザニア2つをまわして、デミグラスハンバーグの目玉焼きを落として~」

センターへ聞こえるようにハイ!と返事(意思表示)したら指示通りに動きます。

(2食分のラザニアを皿に盛って、トマト乗せてトマトフォンデュかけて電子レンジに投入!・・・よし次は目玉焼きをおとそう。あー忙しい・・・)

②作業中でもセンターからくる指示はすぐ動けるように意識すること

2つめのポイントです。
作業しながらもセンターからくる指示にはすぐ動けるように注意を払います。

注意を払うというのは、指示を確実に実行できるよう

・指示を覚える
・その為に指示内容を集中して聞く
・指示を聞きながらすぐ動きだす

といったことができるよう、
とにかくセンターからの指示には注意を払いましょう

シミュレーションに戻ります。

目玉焼きを落とそうとしている作業中にセンターから指示がきました。

「それ終わったらツナサラダとお子様ランチの台を作っといてね」

【用語解説】
台を作る
お皿にサラダ等を盛って用意しておき、あとは焼いたハンバーグを乗せるだけの状態に準備しておくこと
例「お子様ランチの台作って⇒お子様ランチ用の皿にサラダを盛っておく

そのときまだあなたは卵を割るのに苦戦中ですが、
センターからの指示は「終わったら」でいいので

落ち着いて今きた指示は覚えておきましょう。

大丈夫、たとえ忘れてもまたセンターに聞けばいいだけのことですからね。

無事目玉焼きを落とし終わって、直前で指示されたツナサラダをスタート。

うおー今日はツナサラダのつくり置きが無い!イチから作るしかないか・・・
えーと皿にレタス、ブロッコリー乗せて、トマト切って・・・あれトマトがもう無い!

 と、段々テンパりだしたところへ、またまたセンターから指示がきました

「今電子レンジまわり終わったからラザニアをオーブンにいれよう」

ここです。ここが初級の第一関門
作業中にいますぐやれという指示がきたらどうするか。

「終わったらでいいから」という言葉がない限りは、基本「いますぐやれ」と言われていると捉えましょう。

答えは簡単。

今やっている作業を中断して指示に従います。

ツナサラダってかトマトなんか知らん!
と放置してラザニアのもとへ急ぎましょう。

電子レンジからラザニア出してチーズ乗せ皿の回りを拭いて、よし!オーブンへ投入!

とそこへ、またまたセンターから追加指示がきます。

「そしたらデミグラスハンバーグのオニオンスライスも焼き始めて!」

(さっきのツナサラダまだ終わってないんだよな・・・でもしょうがない指示通り動くか!)

聞こえるように返事をし、グリルに油ひいてオニオンスライスを焼きはじめる。

センターの指示はすぐ動く
これが大原則ですが、このとき極力忘れてはいけないのが、
指示を受ける前まで自分が何をしていたかということ。

そうツナサラダをつくっていましたよね。
さあ放置していたツナサラダをつくりにいきましょう。

急いで戻るとあら不思議、ツナサラダはすでに完了していて
目の前にはお子様ランチの台も準備し終わっています。

これがキッチンの連携・チームワークというものです。

センターの指示であなたがラザニアをオーブンへいれ
オニオンスライスを焼いている間に
センターがツナサラダとお子様ランチの台をつくっていたのです。

時間のかかるラザニアも今はオーブンにあるし、
先だしのツナサラダも出ている、
お子様ランチもあとはお子様ハンバーグが焼き終わって台に盛れば完成です。

ツナサラダをやっているときの
「ラザニアをオーブンいれて下さい」の指示をきかずにひたすらツナサラダをやっていたらどうなるでしょうか。

ツナサラダが完成しおわる頃にはお子様ハンバーグも焼き終わりますが、

(あぁでもお子様ランチの台が無い、ラザニアもオーブンにいれないと!)

みるみるあなたは潰れていくことをセンターは全て知っています。

たとえセンターがラザニアをやるとしても、
グリルのあなたを超えて奥に行き作業をする為とても効率が悪いものになります。

だからより遠くで作業が必要なラザニアをあなたに任せたのです。

作業途中で投げ出すのは初めのうちは抵抗がありますが、
センターは全体の料理提供を把握したうえで指示を出しているので
センターの指示はすぐ従うよう意識しましょう。

シミュレーションに戻ります。

次はお子様ランチの仕上げです。
センターが準備してくれた台に焼き終わったお子様ハンバーグを乗せソースをかける。

ソースはセンターがボイル機から出して用意してくれていることでしょう。

もし無かったら「ソースください」とセンターに意思表示をします。

ソースをかけたら、あとはエビフライ(フライヤー側の食材)を乗せて完成です!

③ポジションをまたいでの移動は極力しないこと

ここで3つめのポイントとして
ポジションをまたいでの移動は極力しないことです。

このとき自らフライヤーに行ってエビフライを乗せてはいけません。

わざわざ遠くのフライヤーまで移動すること自体が非効率ですし、
フライヤースタッフ、センター等と人が密集してより非効率になります。

この場合は、隣にいるセンターに
「あとはエビフライだけなのでお願いします」
と言ってほぼ完成した台を渡すか、まな板の端に置いておきましょう。

今回のシミュレーション、キッチンレイアウトの場合、
グリルのあなたが移動できる範囲は効率を考えるとぎりぎりボイル機までです。

例えば先ほどのお子様ランチのソースをセンターに要望するシーンでは、
もしセンターがフライヤーのフォロー等で忙しそうであれば
自分でボイル機まで移動しソースを取ってくるなど、
効率が保てる範囲で臨機応変に対応しましょう。

繰り返しですが、
ボイル機以上にあなたのグリルポジションから離れるフライヤーまで移動して
エビフライを取ってくるのは効率が悪くなるので、
基本的にはセンターかフライヤーの方に頼みましょう。

この後、オーブンで焼き終わったラザニア含めあなたがやるべき料理の提供が全て完了しました

④料理提供後は一息つく前に片づける

ここで最後4つめのポイントです。
料理提供後は一息つく前にまな板、グリル板、シンクを何も無い状態にします。

ソースが飛び散ったまな板を拭き、
オニオンスライスのカスが残っているグリル板をきれいにしましょう。

調理過程で使った汚れたプレート、ボウル類をさっと洗いシンクの中をなるべく何も無い状態にして
次くるオーダーに備えたらいったん終わりです。

まとめ

初級編はここまでです。
以下にあらためてポイントを記載しますので
まずはこの4つに注意して仕事をしてみて下さい。

落ち着いて作業すること
⇒初級の方にスピードを求めていない

作業中でもセンターからくる指示はすぐ動けるように意識すること
⇒基本的には今やっている作業を中断して指示に従う

ポジションをまたいでの移動は極力しないこと
⇒常に効率を意識

料理提供後は一息つく前に片づける
⇒まな板・グリル板などの調理器具・シンクを何も無い状態にする

忘れてはならないのが超基礎事項編でも出しましたが、
これら4つのポイントに加え意思表示することです。

先ほどのシミュレーションの例では下記がありました。
・ニューオーダー読上げ時の返事
・ソースがないときの要求
・エビフライを乗せて欲しいときの要求

いずれも意思表示がないと効率的な仕事ができませんよね。

慣れてきたら徐々にスピードもあげていきましょう。

初級の内容はとても基本的なことですが、
上達するには必須の能力
です。
これ無しにスピードはでませんからね。

最後にもっと、、極論を言ってしまうと初級はセンターの指示だけ聞いていればほぼOKです

逆に指示通りに動けなかったら
どんなに仕事ができてもチームとしてなりたちません。

センターの指示通りに確実に動くことができ、
最後の片付けまでできるようになったら初級はクリアです。


いよいよ次のステップである中級編へと進みましょう。

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